使用後のべたつきはオールインワン化粧品が浸透しないから?

使用後のべたつきはオールインワン化粧品が浸透しないから?

たった1のアイテムでスキンケアが完結する「便利で時短ケアができる」のが、オールインワン化粧品が選ばれている理由の1つ。
しかし実際に使ってみると、「使用後にべたつく」「肌に化粧品が浸透していない」といった、オールインワン化粧品の浸透性や保湿効果についてマイナスの口コミが寄せられています。

 

“浸透”というとお肌の最奥まで美容成分が行きわたることをイメージしてしまいますが、実際には多くの基礎化粧品(化粧水・乳液・美容液・美容クリーム含む)が角質層(表皮から0.01mm~0.03mm程度の範囲)までしか浸透しないという研究結果が発表されています。
では、美容成分の効果を発揮させるためにはどのような美容法が効果的なのでしょうか?

 

毎日のスキンケアで最新の美容成分が配合されているオールインワン化粧品を使っています。
私はオイリー肌や混合肌といったトラブル肌ではありませんが、季節に関係なくオールインワン化粧品を使うと浸透していないせいで肌がべたついてしまいます。
これはオールインワン化粧品の美容液成分が肌の内部に浸透せずに、皮膚表層にとどまっているからでしょうか?

 

確かに、オールインワン化粧品の口コミ情報や使用感の感想をチェックすると、「使用後のべたつきが気になる」というレビューが投稿されています。
使う人の肌質や商品によっても違いはあると思いますが、使用後のべたつきの原因はオールインワン化粧品が皮膚の表面に残り浸透していない(吸収されていない)可能性が考えられます。
オールインワン化粧品を含めた基礎化粧品のべたつきを抑えるには、角質層部分に肌みずからの力で水分を蓄えられる状態の肌環境を作ることが大切です。

 

 

お肌の奥まで美容成分が浸透するはウソ?実は「浸透する」は角質層まで。

2012年10月「化粧品は肌表面にさえも浸透していない」と女性にとって衝撃的な研究結果が英国バース大学薬学・薬理学科のRichard Guy教授によって発表されました。
発売されている化粧品の粒子を調べたところ、肌表面にさえも浸透しない多くの化粧品の粒子は人間の髪の毛の100分の1ほどの大きさだったそうです。
この結果を受けRichard Guy教授らは分子量をさらに縮小して20~200ナノメートルの粒子が肌の奥に染み込むのかを観察しましたが角質層にさえも浸透することはありませんでした。

 

化粧品が肌の奥まで浸透しないという残念な研究結果ですが、これについて日本の薬事法では、化粧品を販売・宣伝する場合は誤解のないように浸透するのは角質層までであるということを正しく伝えなければならないと規定しています。

 

では、角質層にまでしか浸透しないオールインワン化粧品は、美肌作りに役立っていないのでしょうか?
人間の皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3つの組織からできており、その中でも角質層は皮膚表面の表皮から0.01mm~0.03mm程度の皮膚の一番上にある層で、肌内部の死んだ細胞によって作られています。
そして、ターンオーバー(表皮の角化)といわれている肌の生まれ変わりは、この角質層で起きています

 

また、角質層よりも奥のエリアは、セラミドと水によるラメラ構造による肌バリア機能で外部からの刺激から守られているので、このバリアゾーンには美容成分のほとんどが浸透することはできません。
しかし、合成界面活性剤の配合量が多い化粧品は、肌バリアを壊して角質層よりも奥に蓄積されることがあります。
肌にとって危険性のある成分が蓄積されるということは、肌トラブル(皮膚トラブル)や症状の悪化にもつながるので配合成分表示をしっかりと確認する必要があるでしょう。

 

このように、“浸透しない”といっても角質層まで浸透すれば美容効果は期待できることになりますし、逆に角質層よりも奥まで成分が浸透する製品があったとしたら、刺激性が高くとても危険な製品である可能性が高いことになります。

 

 

オールインワン化粧品のスキンケア後にべたつくのは浸透していない?

先ほど紹介したとおり、基礎化粧品の肌浸透についての研究結果から皮膚透過性が実証されています。
しかし、美容成分が角質層で留まることでべたつくことの原因なら、オールインワン化粧品だけがべたつくことはありません。
そこで基礎化粧品の使用後のべたつきについて調査すると、“商品の品質により浸透しない”こと以外にもお肌がべたつく3つの原因が判明しました。

 

オールインワン化粧品を使用してベタつくのはその成分によるもの

細胞の周りに水分を蓄えて潤いを保つ働きのある“ ムコ多糖類(グルコサミノグリカン)”という糖分の性質により、使用後にべたつきが残ります。
ムコ多糖類は細胞と細胞のつなぎ役で、お肌の水分を蓄えるだけではなく、細胞へ栄養素を運搬したり、老廃物を体外へ運び出したりと美肌作りをサポートします。
オールインワン化粧品によく配合されている成分では、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などがムコ多糖類に分類されます。

 

使用しているオールインワン化粧品が肌に合っていない?

お肌に合わない基礎化粧品を使用したことで、お肌の皮脂や脂質が分泌されたことでべたつきを感じているのかもしれません。
脂質が過剰分泌されてしまうとニキビといった肌トラブルにも繋がってしまうため、べたつくだけでなくお肌の調子が悪くなった場合は、オールインワン化粧品の使用を中止して様子をみましょう。
※保湿効果や保水力を高めるには油分と水分量のバランスが大切です。

 

上記は一般的な情報で、必ずしも「○○(ムコ多糖類)が配合されているからべたつく!」とは言えません。
ですが、オールインワン化粧品選びや今のオールインワン化粧品がべたつく原因を見つけ出すには知っておいて損はない情報でしょう。

 

また、せっかく購入したオールインワン化粧品が肌に合わないという残念な結果を避けるためにも、無料サンプルやトライアルセットのある商品を選ぶもの賢いオールインワン化粧品の選び方になるかもしれませんね。

 

 

成分が角質層までしか浸透しないなら、美肌成分や保湿成分は一切意味なし?

しっかりと肌ケアをしても「浸透しない。」「保湿成分の有効性を感じない。」という状態は、角質層の保水力が低下している状態で、お肌が自力で保湿物質を作り出せない状態。
ですから角質層まで美容成分が浸透して、その美容成分によって肌の水分を逃さずに潤いを保つことができればスキンケアの意味が生まれ、美肌作りに必要な皮膚環境を整えることになります。
また、角質層まで浸透してお肌の潤いをキープできる成分が配合されているオールインワン化粧品なら、乾燥肌や敏感肌のスキンケアトラブルに対してよいアプローチ方法となるでしょう。

 

そして、オールインワン化粧品に配合されていて、お肌のべたつきが少なく保水力の高い美容成分としては“セラミド”がおすすめ。
なぜなら、角質細胞間脂質の約40%を占めるセラミドは、角質層で水を挟み込み保湿に役立つ細胞どうしを結びつけるという役割を持つため、お肌の潤いキープには欠かせない成分だからです。

 

 

 

オールインワン化粧品を選ぶ基準として、まずは美白成分・ビタミンC・整肌成分といった美容成分が気になるところ。
その他にも、パラベン、化学物質、防腐剤、鉱物油、合成界面活性剤配合などの添加物が含まれていない安全性の高い商品かなど、オールインワン化粧品の選び方はそれぞれ異なるでしょう。

 

オールインワン化粧品の使い心地やスキンケアの簡単さ、べたつきなどの仕上がりも1つのポイントとしてオールインワン化粧品を選んでみてはいかがでしょうか?
そして、保水力を高める肌ケアのために、私のいちおし保湿成分、セラミドが配合されているかどうかもぜひチェックしてみてください。


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